無知って愉しい








私は偏見とか結構するし、プライドも無駄に高い。プライドに関しては本当に高い。


このプライドのせいで人生損してばかりな気がしている。



下に見られたくないし、馬鹿だと思われたくなくて、雰囲気でバレる知ったかぶりというやつをしたりもする。



しかし先日、無知は恥ずかしいことではない、と思わせてくれる体験をした。




尊敬する友人と会った日のこと。

私はその日荷物が多かったためテキトーなショッパーをサブバックとして持っていた。

誰が見ても、あそこの服屋のものだとわかる、ぺらぺらの布にブランド名が大きく書かれ、ちょっとしたリボンなんかもあしらわれたショッパーだ。

女子高生がこぞって体操着を入れ、虚勢を張って登校するショッパーだ。


それを見て彼女が、私の尊敬する彼女が、

お洒落!こういうのってどこで買ってる?

と。
純粋でキラキラした目で。


この誰もがわかるショッパーを、その辺で手に入るタダのショッパーを、彼女が知らない、そして明け透けに純粋に尋ねてきた。


もちろん無知すぎるが故に、何も躊躇することなく問うてきたのだろう。

ただこのとき、無知とは恥ずかしいことではないと思えた。

私は彼女に、何も嘲笑などの念を抱かなかった。無知を晒しても他人はなんとも思わないんだとやっと、知ることができた。





またしても私は、無知だった。